動物の体の負担をできるだけ少なく

当院では、診療や処置、検査、手術によるペットへの負担やストレスをできるだけ軽減するため、さまざまな治療方法を導入しています。「術後の回復が早い」「出血や痛みが少ない」「免疫力を高めて症状を改善する」など、ペットにとってメリットが大きいと思われる治療方法を、飼い主さんとご相談して決めていきます。
大切なペットのために、より良い治療法をご提案できるように努めます。
腹腔鏡手術

腹腔鏡手術は、従来のお腹を大きく切る手術とは異なり、お腹に約2~5㎜の穴を縦に3つ開けてカメラや特殊な器具を挿入し、モニターを見ながら行います。傷口も小さく短時間でできるので、痛みが抑えられて回復も早く、ペットへの負担を大幅に軽減することができます。
また、手術する部位を的確にとらえられるので、ほかの臓器に影響を及ぼさず、リスクが少なく処置できるというメリットもあります。
当院では、避妊手術も腹腔鏡手術で行います。
- メリット
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- 傷が小さい
- 痛みが少ない
- 短時間で行える
- 鮮明な画像を見ながら、より的確に手術が行える
- お腹を開かないことにより、臓器の乾燥や癒着を防ぐ
- 術後の回復が早い
- デメリット
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- 通常よりも費用が高い
半導体レーザー治療

半導体レーザー治療とは、レーザーの出力や照射方法を調節することで、外科手術・皮膚疾患・歯科・眼科などの幅広い分野において、効果的な治療ができる治療方法のことです。
従来なら手術でないと治せなかった症状でも、半導体レーザーによって切らずに治療できる場合もあります。高齢や病状により、麻酔が使えないペットにも有効です。
- レーザーメス
切開時の出血を抑え、腫瘍の摘出時にもスムーズな処理が可能です。切開した部分の回復も早いという特徴があります。 - イボの蒸散
体の表面にできたイボの組織を消滅させることにより、体を傷つけることなくイボを取ることができます。 - 疼痛緩和
血管を拡張することで血流が増え、疼痛を緩和することができます。切り傷などの治癒を促進する効果もあります。 - 歯科治療
歯周病菌の殺菌や歯肉を引きしめる効果があるので、歯周病や歯肉炎の治療にも使われます。 - 眼科治療
眼圧を下げる効果があるので、緑内障の治療に使われます。
オゾン療法

オゾン療法とは、オゾンガスを体内に注入することで、細胞を活性化させて免疫力を高め
るという治療方法です。血液の浄化や皮膚の治療など、さまざまな症状に対して効果が期待できます。オゾンガスは肛門から注入するので、痛みや不快感が少なく、副作用も極めて少ないのが特徴です。
これだけで病気が治るというものではありませんが、自然治癒力の向上や痛みの緩和が期待できるので、ペットの現在の症状を和らげるための治療としておすすめです。
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- 免疫力・自然治癒力の向上
- 消炎鎮痛作用
- 疼痛緩和
- 免疫細胞活性化によるがん細胞の増殖抑制など
- アレルギー性皮膚炎やアトピー性皮膚炎などの症状の緩和
- 腎血流量の改善
麻酔によるリスクを少なく

ペットの治療には、じっとしていてもらうために麻酔が必要になる場面が多いです。しかし、麻酔には低体温・低血糖・呼吸障害・循環障害・術後疼痛などのリスクがあり、最悪の場合は死に至ることもあります。
そのため当院では、麻酔によるリスクを減らすことを心がけ、手術内容と病態を考慮して適した麻酔方法を選んでいます。
例えば、MRI・CT検査において全身麻酔が必要になることもありますが、これはペットにとって、人間が全身麻酔で手術を1回受けるのと同じレベルの負担がかかります。まずはエコー検査など、安全な検査方法から症状を探り、痛み止めの併用や局所麻酔による処置を行うなど、全身麻酔によるリスクをできるだけ減らすように心がけています。